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〈シネマ尾道〉街に映画館があるだけで。MIDNIGHT ISSUECAN #01

本日から新連載として「MIDNIGHT ISSUECAN」始まります。
イッシュウカンがお届けする眠れぬ夜のお供。食後のコーヒーを啜りながらついつい話たくなってしまうような雑談的なコーナーです。
第一回は僕が出会った広島県尾道市の小さな映画館の話…。

この話をしようと思ったのは先日インスタでこんな言葉を目にしたことがきっかけ。

「街に映画館がひとつあるだけで、文化的生活レベルが格段に上がる。」

たしかに…!

僕の生活にも映画館は無くてはならいものだったと思う。いや、今もそう思ってる。

Netflixやらアマプラやらで自宅で映画が気軽に観られる時代になったものの、やっぱり映画館の雰囲気というのは堪らなく素敵なモノで替えは効かない。

それは大都市の様にあちこちにシネコンがあるわけではない地域なら尚更だと思う。

そんなことを考えていると大学生の頃18きっぷ で旅をした尾道の街を思い出した。尾道には「シネマ尾道」という映画館があり、1スクリーンしかないミニシアターではあるものの、“映画の街 尾道“に相応しい地域に愛される素敵な映画館だった。

シネマ尾道は2008年に開館した112席1スクリーンの映画館。元々「映画の街」なのに映画館がひとつも無いことをなんとかしたいと河本清順さんという方を代表にした「尾道に映画館をつくる会」の働きかけにより、個人や企業からの寄付金で開館した映画館らしい。

▲「シネマ尾道」の座席は前方と後方で席の色が分かれている。僕が座ったのは後方の青い席。

その時に僕が観た映画は「危険なプロット」というフランス映画。フランス映画って唐突なラブシーンとか感情の変化が急なイメージがあって(完全に偏見)あまり期待していなかったんだけど、かなり面白かった。サスペンス&コメディといった感じで、サブスクだと「hulu」で観れるようだから興味があったら観てみてほしい。あ、もちろんお決まりの濡れ場は健在です。

ただ映画の内容以上に印象に残ったのが「スタンプカード」だった。チケットカウンターで青いスタンプカードを渡され、受付のお姉様に「このスタンプカード有効期限無いのでまた来てくださいね」と言われた。有効期限がないというだけのことだが、いつまた訪れられるかもわからない尾道の街にいつの日か再訪した時にも“このスタンプカードは有効なのだ”ということが自分とこの街との繋がりに思えてとても嬉しかった。

旅行中に映画鑑賞なんてと思う人がいるかもしれないが、この出来事は僕の中で特別な思い出になったし、どの土産物よりも価値のあるものを手に入れた気がした。

シネマ尾道は地域密着の活度にも力を入れていて、子どもや高校生のための映画ワークショップの開催や、地元の菓子屋に映画作品をイメージした菓子の販売を依頼したりと街の生活レベルの向上に貢献しているらしい。僕の旅の思い出レベルも格段に上げてくれたシネマ尾道。そろそろスタンプカードに次のハンコを押してもらいに行こうかな。

と思いサイトを覗いたら、

やばい!!急がねば!!

もし青いスタンプカード持っている人いたらお早めに!

それでは良い夜を。

text: Masato Okada

“映画の街”尾道で過ごす時間。

ISSUE 009 この街が迎える朝を知りたくて。〈広島県 尾道市〉

旅先の朝には独特なものがある。
“映画の街”尾道の朝の風景に誘われるように、2泊3日の旅へ出た。

尾道の本州側の街と、尾道水道を隔てた向島を自転車でぐるりとまわる。

ゲストハウス「あなごのねどこ」と「みはらし亭」に泊まって過ごした尾道は素晴らしく、もう一度この街を訪ねたいと思う。
さあ、次はどこへ泊まってどんな時間を過ごそうか。

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