フード

〈LUCKY ALEXANDER CHINA〉映画みたいなアメリカンチャイニーズに心惹かれて。

連載:「旅して出会ったこんな店。」

旅先で出会ったあんな店やこんな店。定番からちょっと意外なメニューまで、旅を愛する食いしん坊におすすめしたい街の素敵な“食”を紹介するコーナー


僕は映画の何気ない食事のシーンがやけに好きだ。食べ物にフォーカスしたグルメ映画のいわゆる“飯テロ”シーンではなくて会話のシーンのついでに出てくるような料理たちが逆に印象的に映ってしまう。

例えばクライムサスペンスで警察官がかじってるドーナツとかラブコメのカップルがカフェで向かい合いながら飲んでるドリンクとか。

あと洋画において登場回数が多いものといえばやっぱり中華。

テイクアウト用の白い箱に詰められた料理を箸で突きながら食べるシーンもよく観るし、チャイナタウンで食事するシーンもよく観る。

先日久々にミシェルゴンドリーの「エターナルサンシャイン」を観た時にも登場していて、やけにおしゃれで美味しそうに見えちゃったばっかりに僕の中でのアメリカンチャイニーズ欲がふつふつと湧き上がってきてしまったのでした。

新しいスタイルの町中華が登場

▲ まさにこれと言わんばかりのチャイナタウンの中華料理屋のような外観。

そんな折に出会ったのが東京目黒区にある「LUCKY ALEXANDER CHINA」。

アメリカンスタイルのドーナツショップ「GOOD TOWN DOUGHNUTS」やニューアメリカンレストラン「GOOD TOWN BAKEHOUSE」を手がける車田 篤さんが新たにオープンした中華料理屋でチャイナタウンの町中華がコンセプトとのこと。

これです。求めていたやつ。この映画の中みたいな感じ。

外観から胸が高鳴りいざ入店。

▲ 昔ながらの風情も感じる内装。雨の日にもかかわらず店内は多くの人で賑わっていた。

暖色の照明がやさしく灯る店内には老舗の町中華とは違うモダンな空間が広がっていた。

Tシャツ姿で働くスタイリッシュな店員さんたちは“町中華”という言葉から連想するイメージとは離れたよりカジュアルな印象を受ける。

壁には中国語で「明日はきっといいことがある」と書かれていたり、中国で縁起が良いとされる“八”の数字にちなんだ八角形のテーブルが設置されたりと「運」にちなんだ工夫が店内の至る所に散りばめられていた。

白い食器と本格中華

▲ ランチは餃子とメイン(魯肉飯・卵炒飯・ミニ中華そば・麻婆豆腐)を組み合わせたセットメニューなどが人気。

メニューの中からは何を食べるか迷った末に卵炒飯と餃子のランチセットを注文。

運ばれてきた本格的な中華料理たちは店名が印字された白い食器に乗ってやってきた。

金沢の陶器ブランド「NIKKO」とのコラボレーションで作ったオリジナルデザインの白い食器類はどことなくテイクアウト用の白い箱を彷彿とさせるデザインでアメリカンチャイニーズ感を際立たせてくれている気がした。

「LUCKY ALEXANDER CHINA」は餃子を売りにしているということもあり、もちろん餃子は美味。

しかしながら個人的にはこの卵炒飯を推したい。

卵炒飯は「開運卵炒飯」というメニュー名になっていて、どのあたりが開運なのかは読み取れなかったが、卵の柔らかい香りが鼻から抜けるシンプルながら味わい深い逸品だ。

もしかしたら食べた後はどことなく幸福感に満たされれるようなそんな味付けが開運の由来なのかも。

店名の通り「運」にまつわるお土産も

▲  「フォーチュンクッキー」はパカッと開くと中からおみくじの紙が…。

食事を終えて、お会計を済ませるとお土産に運試しの「フォーチュンクッキー」が貰えた。こんなところにも「運」の要素があるのも心憎い演出。

昨今の町中華ブームの中に現れた新しい町中華の形はまるで訪れた客を映画の中に連れて行ってくれるような空間だった。

アメリカンチャイニーズ欲を刺激された時はぜひ訪れてみて欲しい。

text:Masato Okada

LUCKY ALEXANDER CHINA(ラッキーアレクサンダーチャイナ)

◇ 東京都⽬⿊区駒場1-16-9  京王井の頭線「神泉駅」南口から徒歩9分 OPEN-11:30〜15:00、17:30〜23:00 休-月 instagram-https://www.instagram.com/lucky_alex_matsumizaka/

久しぶりの京都ではまた知らなかった景色を見ることができた

〈京都府京都市〉老舗とニューウェーブを巡って。/ISSUE014

「そうだ」この一言で大体の日本人はこの街のことを思い浮かべる呪いにかけられている気がする。

およそ3年ぶりに訪れた日本を代表とする街、いや、“This is 日本”といえる京都の街。

百年生き抜く老舗の名店から昨今注目の町中華を始めとした“ニューウェーブ”まで各所を巡ってみると
以前とはまた変わって京都の知らなかった景色を見ることができた。

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