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僕らの街は、意外なところで繋がっている。中編 /ISSUE 002

イッシュウカンの週刊コラム: 飯能と深川 vol.2

前編でも話した“西川材”。その飯能の材木文化が影響した街がある。


入間川から下流へと、流れ流れて辿り着く東京都江東区深川。
清澄白河という駅名で近年は数多くのカフェやギャラリーの存在により、
コーヒーとアートの街として広く認知されてきているわたしオカダの暮らす街だ。

しかしなぜどのようにしてコーヒーとアートが街に根付いてきたのだろうか?
その謎を紐解くには時代を江戸まで遡る必要がある…。

現代美術館のエントランス

「東京都現代美術館」は東京ドーム5個分の広さを持つ「木場公園」の北側に位置している。
1995年の開館で東京オペラシティや新国立劇場などが代表作に挙げられる建築家の柳澤孝彦による設計だ。

展覧会「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」の様子

常に感度の高い現代アートの展示を行なっている。
写真は現在開催中の「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」。※会期は2022.10.16(日)まで。

「東京都現代美術館」が建てられている「木場公園」。
深川にあるこの木場という地名は江戸時代から“貯木場”として利用されていたことに由来している。


人口の増加や木造建築の密集により火事が多かった江戸の街では、常に木材が必要とされており、
木場では飯能から川伝いに運ばれて来た木材の“水上貯木”が行われていたのだ。
時代が進み木場の“貯木場”としての役割は新木場へと移る事になったが、
現在でも多くの材木店や製材を保管する為の倉庫が残っている。

つまり飯能と深川は江戸の街で使う“西川材”の始点と終点として繋がっていたのだ。

清澄白河の材木店

街にはスペースを活用して材木を取扱いしている会社が散見される。

古い倉庫をりのべーしたカフェ

ニュージーランドで創業のコーヒーロースター。「Allpress Espresso Tokyo Roastery & Cafe」。
ここも古い木造の倉庫を改築した場所だ。

出身地の意外な繋がりについて明らかになったところで「Allpress Espresso Tokyo Roastery & Cafe」で向かいの材木店を横目に清澄白河のコーヒーを味わってみる事にした。
店内の天井は高く、奥には名前の通り大きな焙煎機が併設されている。

倉庫は元々天井が高く柱が少ない造りである為、大型の焙煎機やカウンター、
客席が必要なカフェとしてリノベーションし活用するのに都合が良いのだそうだ。

Allpress Espresso Tokyo Roastery & Cafeのコーヒー

外のベンチに座って一杯。車の通りも少なく静かな住宅街の中にあるため、カフェスペースは狭いが居心地が良い。

焙煎機併設のカフェやギャラリーが多く立ち並ぶ深川。


かつてよりも木材の街としての役目は小さくなったが、
その代わりに“貯木場跡地”として残された広大な敷地には「木場公園」や「東京都現代美術館」が、
使われなくなった倉庫にはその構造をうまく活用したカフェやギャラリーが次々と開業していき、
現在の清澄白河=コーヒーとアートの街というイメージが根付いてきたのだろう。

ここまで話して気になるのが、一体何がきっかけとなってコーヒーとアートの街になったのかだ。
街のブランディングやブームには必ず火付け役の存在がある。深川の街でもそれは例外ではなく、
飯能の“フィンランド化”にもその存在がある…。

text: Masato Okada

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