連載:「旅して出会ったこんな店。」
旅先で出会ったあんな店やこんな店。
定番からちょっと意外なメニューまで、旅を愛する食いしん坊におすすめしたい街の素敵な“食”を紹介するコーナー。
普段あまり聞かない言葉を聞くとなんだかちょっとした非日常が味わえそうな予感がして心が躍る。
京都銀閣寺のほど近くにある『茶楼farmoon』では“茶楼”(さろう)という聞き慣れない言葉の通り、
その予感が見事に的中した。
異国を感じさせるインテリアが作り出す一つの空間
▲ 吹き抜けからは屋根の梁が見え、
古材を組み合わせた円卓や色形様々な食器などのインテリアからも国籍に囚われない自由な世界観が感じられる。
国内外で活躍する料理人 船越雅代さんのプライベートレストラン『farmoon』は
昼の時間帯は予約不要のティーサロンとして営業している。
予約不要とは言っても夜は紹介制のレストランなので少なからず敷居の高さを感じていたが、
入ってみるとスタッフの方の親しみやすい雰囲気でその心配は吹き飛ぶ。
店内はアロマの香りが包み込み、ヨガ中に流れているような心も身体も浄化される系のBGMと
異国を感じさせるインテリアたちが非日常かつどこか幻想的な空間を作り出していた。
五感で楽しむ癒しの“食体験”
▲ 茶楼粥と小菜三種(1,500円)と月餅・キャラメルとザラ茶のアイスクリーム(1,200円)
ランチメニューには“茶楼粥”なるこれまた聞き慣れない料理の名前が。
京都のお米と山口のザラ茶によって構成された茶楼粥には小菜三種として
季節野菜の小菜・マッコリ水キムチ・Farmoon特製の香辣醤が付いてくる。
茶楼粥はそのまま食べると優しい味わいの奥にザラ茶がほのかに香り、
香辣醤を加えると少し辛くなり刺激的な四川の香りが鼻を抜けていく。
デザートメニューや一緒に提供される水出しの秋番茶や水キムチなどどれも香りが素晴らしく、
店の空気・音楽と相まって五感で楽しむ癒しの“食体験”となった。
text:Masato Okada
茶楼farmoon
◇ 京都府京都市左京区北白川東久保田町9 叡山電車山本線 元田中駅から1,202m OPEN-12:00~17:00 休-月・火・水
Instagram-https://instagram.com/farmoon_kyoto?igshid=YmMyMTA2M2Y=
京都のレトロ喫茶で世界一のフレンチトーストを味わう
〈スマート珈琲店〉世界一のフレンチトーストは老舗の喫茶店に。
京都で長年愛される「スマート珈琲店」は趣と歴史ある数々の老舗が並ぶ寺町専門店会商店街の中にある。
ここのフレンチトーストは世界一の味だ。
スマート珈琲店の名物の代表格といえばホットケーキとの声もある。
それでも他で食べるフレンチトーストよりどこをとっても一つ上回る美味しさだ。
久しぶりの京都ではまた知らなかった景色を見ることができた
〈京都府京都市〉老舗とニューウェーブを巡って。/ISSUE014
「そうだ」この一言で大体の日本人はこの街のことを思い浮かべる呪いにかけられている気がする。
およそ3年ぶりに訪れた日本を代表とする街、いや、“This is 日本”といえる京都の街。
百年生き抜く老舗の名店から新しい伝統を築き始めている“ニューウェーブ”まで各所を巡ってみると
以前とはまた変わって京都の知らなかった景色を見ることができた。