今年もこの季節がやってきました。
京王百貨店新宿店で毎年1月上旬~中旬に行われる駅弁販売イベントである
「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」。今年は1月7日(土)〜22(日)までの開催です。
このイベントは全国各所で開催される「駅弁大会」の代表格であり、
その規模・内容から「駅弁甲子園」との異名でも知られているんだとか。
駅弁という名の旅の思い出
駅弁といえば電車旅のお供。
旅の数だけ食の思い出があるように駅弁って見ているだけで旅のときめきが湧き上がってきます。
それってやっぱり日本人はみんな同じなのでしょうか。
東京駅の「駅弁屋 祭」とかっていつ行っても人でごった返してますよね。
案の定この駅弁大会も週末は大混雑。
昼過ぎに訪れるともう数多くの駅弁たちが売り切れ状態でしたが、
そんな中でも購入できたいくつかの戦利品をご紹介したいと思います。
北海道 森駅
まずはじめは日本人で知らない人はいないのでは無いだろうかという程に有名な北海道森駅の「いかめし」。
普段買えないような珍しい駅弁が他にあるにも関わらず常に購入の列ができており、さすが駅弁の代表格。
小ぶりな箱に詰められた2杯のいかの腹にはもち米がたっぷり詰まっていて意外と食べ応えがあります。
イカは簡単に噛み切れるほど柔らかくジューシーでイカの旨みを存分に味わえますが、
もち米には味付けはなく意外にあっさり味。1人で2杯食べるよりは誰かと半分ずつくらいでちょうど良いです。
福井県 九頭竜湖駅
続いて紹介するのは福井県九頭竜湖駅の「九頭竜まいたけ弁当」。
なかなかお目にかかれないローカル路線の駅弁ですが感動レベルの美味しさです。
どデカい舞茸の天ぷらと鯖の塩焼きの下には舞茸の炊き込みご飯が隠れています。
上昇気流でも出てるんじゃないかと思うほどに口に入れると鼻から舞茸とだしの香りが抜けて行きます。
副菜の赤蕪の漬物や里芋の煮っ転がし、甘い卵焼きと食べ飽きることなく完成されたバランス感です。
これなんとか東京駅で売ってくれないでしょうか。
広島県 広島駅・宮島口駅
3つ目は広島県の「炙りあなごめし」。
今回の駅弁大会では店内で炙ったものをお弁当に詰めてくれるので出来立て感が引き立って嬉しい。
甘辛のタレとご飯ってなんでこんなに相性良いんでしょう。
ご飯も穴子の出汁で炊かれてるからそのままでも美味しいし、
謎に漬物が大量なのもさっぱりできて口直し用でも穴子と一緒に食べる用でも楽しめます。
駅弁目当ての旅なんてのも
時々どこへ行くわけでもないのに夕食に駅弁を買って帰ってしまったりするのですが、
これが案外良い現実逃避になったりします。
蓋を開け、その土地の名物を食べると何となくどこかへ向かう電車の中にいるような、
どこかの土地を旅をしているような、そんな気持ちになるのです。
それでもなかなかお目にかかれない全国の駅弁たちはやっぱり現地に行くしかないわけですが、
この駅弁大会ならそれが叶う。
そんな駅弁愛好家たちの夢舞台。駅弁甲子園。
旅好きも、駅弁好きも、普段そんなに駅弁食べない人も、
年に一度のこの機会、是非駅弁の楽しさを味わってみてください。
ハマった駅弁があったら次はその土地に行ってみるなんて楽しみも見つけられるかもしれないですよ。
text: Masato Okada
日本各地のお菓子たちを集めた展覧会ではお菓子の歴史や地域のエピソードを知ることが
〈愛すべき日本のお菓子展〉- 辿り着くのは至ってシンプルなもの。
東京銀座の「無印良品」で料理家の長尾智子さんが企画協力する『愛すべき日本のお菓子展』が開催中と聞き、訪れることした。日本の食文化のである「お菓子」をテーマに、使われる素材やお菓子にまつわる歴史や地域についての魅力を発信する企画展だ。
食べたことのあるものや、存在は知っているもの、存在すら知らなかったお菓子まで様々な資料が展示されているが、資料に書かれたお菓子一つ一つの歴史やコンセプトを読んでいると意外なエピソードを知ることができて興味深い。
紹介されているお菓子はどれも限られた素材で作られるシンプルなものばかりだったが、様々な種類の複雑なお菓子が溢れかえる現代だからこそ逆に色々なものを削ぎ落としたシンプルなお菓子が人々の心を掴むのかもしれない。
コメント