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〈ランプライトブックスホテル名古屋〉旅と読書の関係性。MIDNIGHT ISSUECAN #02

「MIDNIGHT ISSUECAN」の第二回は「旅と読書」の話です。

アクティブ派とインドア派、それぞれを代表するような二つですがその相性は抜群だと思うんです。
“非日常”である旅先に読書という“日常”の行為を持ち込むことでこれらが良い感じに混ざり合い、旅のひと時をより特別な体験へと変えてくれます。

青春18きっぷを片手に乗り込んだ普通列車で、洋上をゆくフェリーの中で、時に高度1万メートルの上空で…。
旅先のあらゆる場所で読書をするという妄想だけでもワクワクしてきます。
ミニマル思考が一般的になってきて「荷物は最小限にするのが良い」そんなふうに言われたとしても“旅のお供”として鞄に一冊は忍び込ませたくなるのです。

ランプライトブックスホテル名古屋。“本の世界”へ旅をする

ランプライトブックスホテル名古屋のエントランス

▲ホテル全体で読書に没頭出来る空間作りがされている。

先日、愛知で開催された芸術祭へ訪れた際に「本の世界を旅するホテル。」をコンセプトに掲げた「ランプライトブックスホテル名古屋」に宿泊しました。
フロントがある1階に旅とミステリーに関連する本だけを集めた書店兼カフェを併設しているのがこのホテルの大きな特徴です。
入口を抜けると広げた腕程の大きさの本のオブジェが出迎えてくれる読書好きには堪らないホテルです。

1階の書店兼カフェの内観①
1階の書店兼カフェの内観②

▲旅とミステリーに関連する3,000冊の本が揃えられた書店兼カフェ。
気になる一冊を手に取れば新しい発見があるかもしれない。

宿泊者はフロントで貸出の受け付けをして客室に持ち帰って試し読むサービスもあります。
24時間好きな時にコーヒーを片手に3,000冊の中から気になる一冊と出会うことが出来ます。

時間を忘れるほどの読書タイムへ入り込む

客室にはより快適に読書が楽しめるよう一人掛けのソファーとオットマン、サイドテーブルが設置されていました。
ソファーとベッドの横には本を持つ手元を照らしてくれる照明があり、足を伸ばしながら好きな体勢で本を読み進めることが出来ます。

客室に設置されたソファースペース

▲窓際のソファーはのんびりと寛ぎながら読書をするのにぴったりの場所だった。

モデレートシングル、モデレートダブル、モデレートツインの3タイプの客室には緑豊かな公園に面した掃き出し窓とバルコニーが設けられています。
気がつけば体が凝り固まる程読書に集中してしまっていた…。
そんな時はバルコニーに出て街を吹き抜ける風を浴びてリラックスするのもいいでしょう。

客室で食べられる朝食

▲朝食は1階のカフェと客室のどちらでも摂ることが出来る。
好きな時に思う存分読書を楽しめる。

旅先に、あの日読んだ本の世界を重ねて

旅と読書といえば真冬の温泉旅の道中、山形新幹線で福島県と山形県の県境に位置する板谷峠を越えた時のことを思い出します。
“新幹線”とはいっても普通列車も走るこの区間は右へ左へ急カーブをしながら標高800m程にもなる豪雪地帯の山間を抜けていく鉄道の難所です。

車窓に目をやると一面の銀世界で眼下には深い谷と底を流れるコバルトブルーの川が見えます。
それはアガサ・クリスティーの代表作の中で描かれているオリエント急行が走る景色を連想させるものでした。
なんてことはない旅のワンシーンですが本で読んだ景色と重なり印象深く残っているのです。

本と一緒の旅は、それ無しでは気が付かなかった景色を見せてくれるような気がします。
「次はどこへ行こうか」、そんなことを思うたびに「その時はどの本を一緒に持っていこうかな」と考えずにはいられません。

それでは良い夜を。

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