連載:「旅して出会ったこんな店。」
旅先で出会ったあんな店やこんな店。定番からちょっと意外なメニューまで、旅を愛する食いしん坊におすすめしたい街の素敵な“食”を紹介するコーナー。
「この先のコンビニか、コーヒーショップに寄るかどっちがいい?コーヒーショップと言ってもそんなにオシャレなのはないかもしれないけど」
旅の案内をしてくれた静岡在住の友人とそんな会話を繰り広げ、失礼ながらあまり期待をせず車内で飲む一杯を求めやってきた「Fes Coffee By Lush Music」。
訪れてみると海辺のリゾートの雰囲気が感じられるセンスのいいコーヒーショップだった。
「Fes Coffee」は漁港の町のリゾート「HUT PARK」にある
全長1.5キロにも渡る用宗(もちむね)海岸のすぐそばにつくられた商業施設「HUT PARK(ハットパーク)」の1階にFes Coffeeは店を構える。
ここ用宗は、早朝しらす漁へと向かう漁船が次々に出港していく光景が繰り広げられる歴史ある漁港の町だ。
▲2021年オープンのHUT PARKは目の前に用宗海岸を望む立地。
徒歩圏には温泉や一棟貸しの宿もオープンするなど町全体で盛り上がりを見せる。
近年ではかつてのマグロ加工場を改造した温泉施設「用宗みなと温泉」や、昔ながらの建物を改装した一棟貸しの宿「日本色」が次々とオープンするなど、“古き良き漁港の町”に現代的な雰囲気が程よく混ざり合い、より一層魅力的な町へと進化を遂げている。
HUT PARKはそんな用宗のなかでも西海岸の雰囲気を醸し出すリゾート感のある商業施設で、雑貨店やセレクトショップが軒を連ねていた。
▲Fes Coffeeの入るHUT PARKには雑貨店やセレクトショップなども。
エスプレッソの深い味わいの中にも軽やかさが
Fes Coffeeでは自家焙煎のコーヒー豆を使ったエスプレッソ系のメニューを中心に揃えている。
この日僕らがオーダーしたのはアイスカフェラテ、ロングブラック、アメリカーノの3種類。
一口飲んでみるとコーヒーのしっかりとした味わいの中にも、すっきりとした軽やかな風味が感じられとても美味しい。
手掛けるのはHUT PARKのある静岡市の一つお隣にある焼津に拠点を構える音楽レーベル「Lush Music」だ。
店舗ロゴは音楽記号「フォルテ」にコーヒー豆を掛け合わせたもので、音楽のもつ楽しさやワクワクをお店の随所に感じることができる。
▲フォルテとコーヒー豆を組み合わせたFes Coffeeのロゴが店舗入り口にあしらわれていた。
スタイリッシュな店内には陶磁器作品との出会いも
明るく開放的な店内はまさに海辺のリゾートの雰囲気にピッタリだ。
ドリンクを受け取るカウンターに近い、ガラス張りの部屋に設置された焙煎機はこの店のコーヒー一杯へのこだわりを教えてくれる。
店内には20ほどの客席がゆったりと配置されていて、外から見た時よりも随分と広く感じられた。
客席近くの壁面に取り付けられたシェルフには陶器のお皿やコップ、ポットがずらり並んでいる。
実はこの客席エリアは、Fes Coffeeのお隣にある「gallery of NyucoDeco」の看板を掲げるギャラリー内に併設されている。
このギャラリーもLUSH MUSICが手掛けるひとつで、コーヒータイムのかたわらに素敵な陶磁器作品に出会えるのもFesCoffeeの魅力のひとつだ。
▲ゆったりした雰囲気の中、シェルフに飾られた陶磁器品との出会いも他の出会いも楽しめる。
コーヒーを片手に用宗海岸で過ごす格別のひととき
店内の雰囲気の良さに後ろ髪を引かれる気がしないでもなかったけれど、僕らは受け取ったコーヒーを片手に目の前の道路を渡った先の松並木の間を抜け、用宗海岸へと降りた。
海岸では足を海に浸からせてはしゃぐ子供たちや犬を連れた人、波打ち際をのんびり散歩する老男性の姿が見られた。
打ち寄せる波の音と微かに子供たちの笑い声が聴こえる海岸に腰を掛け、穏やかな風に身を包まれながらゆっくりとコーヒーを味わった。
▲コーヒー片手に偶然訪れた用宗海岸では、思いがけず心地よいひとときを送ることができた。
気がつけばカップに入ったコーヒーのほとんどを海岸で飲んでしまっていた。
車に戻る頃にはわずかに残るのみだったが、それでもFes Coffeeで買ったコーヒーとともに過ごす用宗海岸でのひとときは格別だった。
text:Tomoki Sasaki
Fes Coffee By Lush Music
◇ 静岡県静岡市駿河区用宗4-19-12
JR東海道本線用宗駅徒歩10分
Pあり
OPEN-9:00~17:00
休-不定期
HP-https://lit.link/fescoffee
海辺のオールインクルーシブホテルで週末ステイを堪能する
〈焼津グランドホテル〉海の気配がそばにある、オールインクルーシブホテル。
HUT PARKからダイナミックな海岸線が続く大崩海岸線沿いに車を走らせること10分。
切り立った崖の上にそびえる焼津グランドホテルは、館内のどこにいても優しげな海の気配を感じられるリゾートホテルだった。
ほぼ全てのサービスが宿泊料に含まれるオールインクルーシブスタイルはゆとりと安らぎを与えてくれた。
益子の春の陶器市で出会った絶品カレー
〈pejite 益子〉春の陶器市でMaruyoshiのカレーを味わう
毎年GWの季節は陶器市で混雑する栃木県益子町。
ベテランから若手作家の作品まで様々な器に出会える益子の陶器市は毎年春と秋の2回開催。コロナの影響で3年ぶり開催となった昨年に続き今年もたくさんの人で賑わいを見せていた。
今回はそんな春の陶器市で出会った素敵なお店と絶品のカレーをご紹介。
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